せん妄②

目を開けると看護士さんが何か話しかけていた。夢を見ていて,心電図のパッドを引きちぎってしまったらしい。それを注意していたみたい。その看護士さんが姉に見えた私は,「これはドッキリだ。この看護士は姉さんだ。他の看護士はそれに協力している俳優たちだ。今までの発熱も,シャントの手術も再建手術も,透析も大動脈解離も,全部ドッキリだ。全部嘘だったんだ。」と思い込んでしまい,その場にいた看護士さんたち3人にやたらとハイテンションで話しかけてしまった。真夜中だったため,ベットごと隔離室に運ばれたあと,暴れないよう手を拘束され,ベットにくくりつけられた。話している内に夢から覚めるように自分の状況が理解できるようになった。人工血管のあとはあるし,シャント手術の傷は残っている。ドッキリではなかった。もうしませんと約束をして,拘束具を外して,病室に戻してもらった。1人の看護士さんから,これをせん妄って言うんだよと教えてもらった。